はじめに
ATIRO VirtualHQ は、AI 社員(AI ワーカー)がバーチャルオフィスに常駐し、 チャット・タスク実行・成果物(納品物)の自動格納まで行う AI ワークフォースプラットフォームです。 このマニュアルでは、現場でつまずきやすい AI 社員の API 設定 と 格納先の設定 を中心に解説します。
AI 社員
役割・KPI・ペルソナ・LLM を設定してチームを編成します。
タスク
AI 社員に業務を割り当て、完了時に成果物を生成します。
格納先
成果物を Drive / BigQuery / メール / Slack へ自動格納します。
admin もしくは org_admin 権限が必要です。閲覧は全メンバー可能です。クイックスタート(5 ステップ)
- 1AI 社員を作成する
AI 社員管理 →「新しい AI 社員を作成」。名前・役割・システムプロンプトを入力します。 - 2LLM(モデル)を選ぶ
モーダルの「LLM 設定」タブでモデル・Temperature・Max Tokens を設定します(後述)。 - 3API キーを設定する(任意・本番)
Anthropic API キーを設定すると実際の Claude が応答します。未設定でもモック応答で動作確認できます(後述)。 - 4格納先を登録する
格納先設定 →「新しい格納先」で成果物の保存先を登録します(後述)。 - 5タスクを割り当てて実行する
タスクボード でタスクを作成し、完了時の格納先を指定すると自動格納されます。
AI 社員の作成・設定
AI 社員管理 画面の「新しい AI 社員を作成」から、6 つのタブで AI 社員を設計します。 編集モーダルのタブは 基本 / 役割・責務 / KPI・目標 / ペルソナ / LLM 設定(+編集時のみ タスク / スキル)です。
基本・役割・責務・KPI
| タブ | 主な項目 | 説明 |
|---|---|---|
| 基本 | 名前 *、短い紹介文 | 一覧カードに表示される識別情報。 |
| 役割・責務 | 役職名、配属先(部署)、担当業務(最大 20 項目) | 担当業務はシステムプロンプトに自動反映されます。 |
| KPI / 目標 | 指標名・達成基準・重み(0〜1、最大 10 項目) | 重みの合計は自動計算。評価の基準に使われます。 |
ペルソナ(口調・性格)
- システムプロンプト *:AI の役割・トーン・行動規範を記述します。役割・責務・スキルが自動で結合されます。
- 口調:礼儀正しい / プロフェッショナル / カジュアル の 3 種から選択。
- 性格パラメータ(4 軸):積極性・慎重さ・ユーモア・共感力 を 0〜1 のスライダーで調整します。
LLM 設定(モデル / Temperature / Max Tokens)
編集モーダルの「LLM 設定」タブで、AI 社員ごとに使用するモデルと生成パラメータを設定します。
| 項目 | 選択肢 / 範囲 | 推奨・補足 |
|---|---|---|
| モデル | claude-haiku-4-5(高速・低コスト)claude-sonnet-4-6(高品質) | 定型業務や大量処理は Haiku、複雑な分析・文章生成は Sonnet が目安。 |
| Temperature | 0.0 〜 1.0(既定 0.7) | 低いほど厳密・再現性重視、高いほど多様・創造的。事実重視の業務は 0.2〜0.4 推奨。 |
| Max Tokens | 128 〜 8192(既定 2048) | 1 回の応答の最大長。長文の議事録・レポートは大きめに設定。 |
Haiku = 入力 1.0 / 出力 5.0 USD per Mtok、Sonnet = 入力 3.0 / 出力 15.0 USD per Mtok。 利用コストは コストダッシュボード で確認でき、プランごとの月次上限(後述)に対して集計されます。
API キー設定(Anthropic Claude)
AI 社員が実際に応答するには、組織の Anthropic API キー が必要です。 キーはフロントには一切露出せず、Cloudflare の Secret(環境変数 ANTHROPIC_API_KEY) として安全に保管されます。
ANTHROPIC_API_KEY が未設定の場合、AI 社員はモック応答(定型のサンプル返信)を返します。UI 動作確認や検証はキー無しでも可能です。 本番運用で実際の Claude に応答させたい場合のみ、以下の手順でキーを設定してください。手順 A:Anthropic API キーを取得する
- Anthropic Console にログインします。
- 「API Keys」→「Create Key」でキーを発行します(
sk-ant-...の形式)。 - 発行直後しか全文表示されないため、安全な場所に控えてください。
手順 B:Cloudflare Secret に登録する
プロジェクト管理者がデプロイ環境で 1 度だけ設定します(Wrangler CLI を使用)。
# 本番(Cloudflare Pages)に Secret として登録
npx wrangler pages secret put ANTHROPIC_API_KEY --project-name atiro-virtualhq
# → プロンプトに sk-ant-... を貼り付けて Enter
# 登録済み Secret の確認
npx wrangler pages secret list --project-name atiro-virtualhqローカル開発で実キーを使う場合は、プロジェクト直下の .dev.vars にANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-... と記載します(このファイルは .gitignore 済みで Git にコミットされません)。
.dev.vars)経由で渡します。万一漏洩した場合は Anthropic Console で即座にキーを無効化(Revoke)してください。手順 C:反映の確認
- Secret 設定後、次回のデプロイ(または再デプロイ)から有効になります。
- AI 社員にチャットで話しかけ、モック注記(「※APIキー未設定のためモック応答です」)が消えていれば実 LLM に切り替わっています。
- 応答が来ない/エラーになる場合は、キーの権限・残高・モデル名(
claude-haiku-4-5など)をご確認ください。
スキル連携(Agent Skills)
編集モーダルの「スキル」タブ(編集時のみ表示)でagent-skills.jpのスキルを検索・紐付けできます。紐付けたスキルはこの AI のシステムプロンプトに自動注入され、専門タスクの精度が上がります。
格納先の設定
格納先とは / 共通操作
格納先(Storage Destinations)は、タスクで生成された成果物(納品物)を保存・配布する先です。格納先設定 画面で Google Drive / BigQuery / メール / Slack の 4 種を登録・管理できます。 タスク完了時の自動格納、または手動での格納に利用されます。
基本操作
- 新規作成:右上「新しい格納先」→ 種別と名称を選び、種別ごとの設定を入力 →「保存」。
- 編集 / 削除:カードをクリックしてモーダルを開き、内容変更または左下「削除」。
- 絞り込み:上部の種別ピル(すべて / Drive / BigQuery / メール / Slack)で一覧をフィルタ。
- 権限:作成・編集・削除・テスト送信は
admin/org_adminのみ可能です。
| 共通項目 | 説明 |
|---|---|
| 種別 * | google_drive / bigquery / email / slack のいずれか。 |
| 名称 * | 最大 120 文字。一覧での識別名(例:経営会議 議事録フォルダ)。 |
| モック実行モード | ON で実 API を叩かず動作確認のみ(既定 ON)。 |
| この種別のデフォルト | 同種別で 1 つだけ「既定の格納先」に設定可能。 |
📁 Google Drive
成果物を Markdown / Google ドキュメント / テキストとして指定フォルダに保存します。
| 項目 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| Drive フォルダ ID | 1AbC...xyz | 保存先フォルダの URL(drive.google.com/drive/folders/ここ)から ID を貼り付け。 |
| ファイル名テンプレート | {{title}}_{{date}}.md | {{title}}=タスク名、{{date}}=日付に置換されます。 |
| MIME type | text/markdown | Google ドキュメント化したい場合は application/vnd.google-apps.document。 |
🗄️ BigQuery
成果物のメタデータ・本文を BigQuery テーブルに行として挿入し、分析・蓄積します。
| 項目 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| Project ID | atiro-prod | GCP プロジェクト ID。 |
| Dataset | ai_deliverables | 挿入先データセット。 |
| Table | task_outputs | 挿入先テーブル。 |
| 書き込みモード | append / truncate | 通常は append(ストリーミング挿入)。truncate は毎回置き換え。 |
✉️ メール(Resend)
成果物をメール本文・添付として指定宛先へ送信します。
| 項目 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| 宛先(To)* | ceo@example.com, cto@example.com | カンマ区切りで複数指定可。 |
| From | atiro-bot@example.com | Resend で認証済みの送信元ドメインを使用。 |
| CC | team@example.com | 任意。カンマ区切り。 |
| 件名テンプレート | [ATIRO] {{title}} | {{title}} がタスク名に置換されます。 |
💬 Slack
成果物の要約を Slack チャンネルへ Incoming Webhook で通知します。
| 項目 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| Webhook URL | https://hooks.slack.com/services/... | Slack アプリの Incoming Webhook URL。モックモード時は不要。 |
| チャンネル | #exec-leadership | 投稿先チャンネル(Webhook 設定により上書き可)。 |
| 送信者名 | ATIRO Bot | 投稿時に表示される Bot 名。 |
モックモード / デフォルト格納先
- モック実行モード(既定 ON):実 API を呼ばずに格納をシミュレートします。認証情報の準備前でも、フローや格納ログの確認が可能です。本番送信したい時だけ OFF にします。
- この種別のデフォルト:同じ種別で 1 件だけ「既定」に指定できます。タスク側で個別指定しない場合に使われます。
テスト送信・格納ログ
- テスト送信:登録済み格納先に対しダミーの成果物(
[TEST] 格納先テスト送信)を送り、疎通を確認できます。 - 直近の格納ログ:画面下部に格納成功 / 失敗の履歴が表示されます。失敗時はエラー内容を確認して設定を見直してください。
タスクと自動格納
タスクボード はカンバン形式(未着手 / 進行中 / 完了 など)でタスクを管理します。 タスクには 完了時の格納先 を指定でき、AI 社員が成果物を生成・完了すると、その格納先へ自動で格納されます。
- 完了時の格納先:「格納しない(記録のみ)」または登録済み格納先から選択。
- 今すぐ格納:完了済みタスクの成果物を手動で格納先へ送ることもできます。
- 完了時には担当 AI 社員へ通知(格納完了 / 格納失敗)が送られます。
プラン変更
設定 画面の「契約プラン」セクションでプランを変更できます(org_admin のみ)。 プランごとに月次コスト上限が設定され、LLM 利用コストの集計上限として機能します。
| プラン | 月次コスト上限(目安) | 想定規模 |
|---|---|---|
| トライアル | ¥30,000 | お試し・小規模 |
| スターター | ¥80,000 | 小規模チーム |
| ビジネス | ¥250,000 | 成長企業 |
| エンタープライズ | ¥1,000,000 | 大規模・要件対応 |
よくある質問
AI 社員が「モック応答です」と返します。実際の Claude に応答させたい。
ANTHROPIC_API_KEY が未設定です。本マニュアルの「API キー設定」手順で Cloudflare Secret に登録し、再デプロイしてください。
格納先が動かない / 成果物が保存されない。
① 格納先が モックモード のままだと実送信されません(OFF にする)。② 認証情報(Drive/BigQuery/Resend/Slack)が正しいか「テスト送信」で確認。③ タスク側で「完了時の格納先」が選択されているか確認してください。
設定を変更できない(ボタンが押せない)。
格納先・プラン変更は admin / org_admin 権限が必要です。権限を持つ管理者にご依頼ください。
コストを抑えたい。
AI 社員ごとにモデルを claude-haiku-4-5 に、Max Tokens を必要最小限に設定してください。利用状況は コストダッシュボード で確認できます。
本マニュアルに記載のない操作や不具合は、管理者または運用担当へお問い合わせください。